ナノダイヤモンド分散複合メッキ
ナノダイヤモンドとは
私たちが用いているナノダイヤモンドは5nmと世界一小さなダイヤモンド微粒子です。 図1はその電子顕微鏡像です。一次粒子は単結晶構造をしており、 1gあたりの比表面積は 300-400㎡ もあります。 購入したナノダイヤモンドはそのままでは水に対しての分散性が悪く水中に懸濁させても数時間 で沈降してきますが、特殊な前処理を行う事で図3に示しますように驚異的な分散性・親水性が 得られます。
図1 NaDa(ナノダイヤモンド)顕微鏡写真  図2 NaDa粉末  図3 NaDa水中懸濁後
複合分散メッキの仕組み
「硬さやすべりやすさなど、さまざまな特徴をもつ微粒子をめっき皮膜の中に取り込ませることで、その微粒子の特徴や性質をメッキ皮膜に付与することができる」 というのが複合分散メッキです
ナノダイヤモンド複合分散メッキ皮膜の期待物性
ナノダイヤモンドをメッキ皮膜中に取込む事により期待できる物性として挙げられるものは 耐摩耗性、固体潤滑性、離型性、硬度上昇等があります。 ボールオンディスク式摩擦試験器での摩擦係数測定では軽加重・無潤滑条件下でクロムメッキ皮膜よりも小さい摩擦係数が確認されています。 メッキ液1㍑あたり10gのナノダイヤモンド添加で最大14vol%の共析量が確認されています (図4参照)
図4 ナノダイヤモンドのめっき液中への添加量とめっき膜中への共析量
図5 ナノインデンターによるナノダイヤモンド複合分散めっき皮膜の硬度測定結果
ナノダイヤモンド複合分散めっきが可能なもの
通常は無電解ニッケルめっき、電気ニッケルめっきでナノダイヤモンド複合分散めっき処理を行っていますが、そのほかのめっき皮膜種として以下のものがあります。
【無電解メッキ系】
- ニッケル-リンメッキ皮膜
- ニッケル-タングステン-リンメッキ皮膜
- コバルト-リンメッキ皮膜
【電気メッキ系】
- ニッケルメッキ皮膜
- ニッケル-タングステンメッキ皮膜
- 鉄メッキ皮膜
- 三価クロムメッキ皮膜(要相談)
期待される用途
- ヒンジなどの軽荷重摺動部品
- MEMS(微小アクチュエータ等)関連部品
- 軽荷重下、オイルフリーで稼働させる機構部品
- DLC等では成膜が難しい複雑形状の部品
- 通常のニッケル-リンメッキ皮膜よりも高い硬度が求められる部品
★ご評価用の試作品へめっき処理対応可能です。すでに数社のお客さまが試作品にてご評価中!
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